(特定電気通信役務の料金)
第二十一条 総務大臣は、毎年少なくとも一回、総務省令で定めるところにより、指定電気通信役務であつて、その内容、利用者の範囲等からみて利用者の利益に及ぼす影響が大きいものとして総務省令で定めるもの(以下「特定電気通信役務」という。)に関する料金について、総務省令で定める特定電気通信役務の種別ごとに、能率的な経営の下における適正な原価及び物価その他の経済事情を考慮して、通常実現することができると認められる水準の料金を料金指数(電気通信役務の種別ごとに、料金の水準を表す数値として、通信の距離及び速度その他の区分ごとの料金額並びにそれらが適用される通信量、回線数等を基に総務省令で定める方法により算出される数値をいう。以下同じ。)により定め、その料金指数(以下「基準料金指数」という。)を、その適用の日の総務省令で定める日数前までに、当該特定電気通信役務を提供する電気通信事業者に通知しなければならない。
2 特定電気通信役務を提供する電気通信事業者は、特定電気通信役務に関する料金を変更しようとする場合において、当該変更後の料金の料金指数が当該特定電気通信役務に係る基準料金指数を超えるものであるときは、第十九条第一項又は前条第一項(同条第四項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定にかかわらず、総務大臣の認可を受けなければならない。
3 総務大臣は、前項の認可の申請があつた場合において、基準料金指数以下の料金指数の料金により難い特別な事情があり、かつ、当該申請に係る変更後の料金が次の各号のいずれにも該当しないと認めるときは、同項の認可をしなければならない。
一 料金の額の算出方法が適正かつ明確に定められていないこと。
二 特定の者に対し不当な差別的取扱いをするものであること。
三 他の電気通信事業者との間に不当な競争を引き起こすものであり、その他社会的経済的事情に照らして著しく不適当であるため、利用者の利益を阻害するものであること。
4 総務大臣は、基準料金指数の適用後において、当該基準料金指数が適用される特定電気通信役務に関する料金の料金指数が当該基準料金指数を超えている場合は、当該基準料金指数以下の料金指数の料金により難い特別な事情があると認めるときを除き、当該特定電気通信役務を提供する電気通信事業者に対し、相当の期限を定め、当該特定電気通信役務に関する料金を変更すべきことを命ずるものとする。
5 第一種指定電気通信設備であつた電気通信設備を設置している電気通信事業者が当該電気通信設備を用いて提供する電気通信役務(基礎的電気通信役務に限る。)に関する料金であつて第三十三条第一項の規定による指定の解除の際現に第二項の規定により認可を受けているものは、第十九条第一項の規定により届け出た契約約款に定める料金とみなす。
6 特定電気通信役務を提供する電気通信事業者は、第二項の規定により認可を受けるべき料金については、同項の規定により認可を受けた料金によらなければ当該特定電気通信役務を提供してはならない。ただし、次項の規定により当該特定電気通信役務の料金を減免する場合は、この限りでない。
7 特定電気通信役務を提供する電気通信事業者は、総務省令で定める基準に従い、第二項の規定により認可を受けた当該特定電気通信役務の料金を減免することができる。
電気通信事業法施行規則
(特定電気通信役務の範囲)
第十九条の三 法第二十一条第一項 の総務省令で定める電気通信役務は、第十八条で定める指定電気通信役務であつて、次に掲げるもの以外のものとする。
一 電話及び総合デジタル通信サービスを除く音声伝送役務
二 データ伝送役務
三 専用役務
(特定電気通信役務の種別)
第十九条の四 法第二十一条第一項 の総務省令で定める電気通信役務の種別は、次のとおりとする。
一 音声伝送役務
二 音声伝送役務であつて第一種指定端末系伝送路設備(第一種指定電気通信設備である固定端末系伝送路設備をいう。以下同じ。)のみを用いて提供されるもの
(基準料金指数の算定方法等)
第十九条の五 法第二十一条第一項 の基準料金指数は、適用期間ごとに、次の式により算定するものとする。
基準料金指数=前適用期間の基準料金指数×(1+消費者物価指数変動率−生産性向上見込率+外生的要因)
2 基準料金指数の適用期間は、十月一日から一年とする。
3 第一項の消費者物価指数変動率は、基準料金指数の適用期間の始まる日の直近に終わる国の会計年度(次条において「基準年度」という。)又は暦年における消費者物価指数(総務省において作成する消費者物価指数のうち全国総合指数をいう。)の変動率とする。
4 第一項の生産性向上見込率は、三年ごとに現在の生産性に基づく将来原価及び今後の生産性向上を見込んだ将来原価から算定するものとする。
5 第一項の外生的要因は、生産性向上見込率算定の際には考慮されない要因のうち消費者物価指数変動率に反映されないものとし、基準料金指数の適用期間ごとに算定するものとする。
6 法第三十三条第一項 の規定により新たに指定された電気通信設備を用いて提供される特定電気通信役務に適用される最初の基準料金指数の算定の際には、第一項の前適用期間の基準料金指数は百とする。
(料金指数の算出方法)
第十九条の六 法第二十一条第一項 の料金指数は、特定電気通信役務の種別ごとに、次の式により算出するものとする。
料金指数=(ΣPtiSi÷ΣPoiS1)×100
Ptiは、通信の距離及び速度その他の料金区分ごとの料金額
Poiは、法第三十三条第一項の規定により新たに指定された電気通信設備を用いて提供される特定電気通信役務に適用される最初の基準料金指数の適用の日の六月前における料金額でPtiに対応するもの
Siは、Ptiが適用される電気通信役務の基準年度における供給量
2 前項に定めるもののほか、総務大臣は、料金指数の連続性を保つために必要な料金指数の修正の方法を別に定めるものとする。
(基準料金指数の通知期間)
第十九条の七 法第二十一条第一項 の総務省令で定める日数は、九十日とする。
(基準料金指数を超える料金指数の料金の認可の申請)
第十九条の八 法第二十一条第二項 の認可を受けようとする者は、様式第十五の申請書に、料金の新旧対照及び次の事項を記載して提出しなければならない。
一 実施期日
二 料金の変更後の料金指数及びその算出の根拠に関する説明
三 基準料金指数以下の料金指数の料金により難い特別な事情に関する説明
四 料金の算出の根拠に関する説明
五 料金の実施の日以降三年内の日を含む毎事業年度における申請に係る電気通信役務の収支見積り
(特定電気通信役務の料金の減免の基準)
第二十条 第十九条の二の二の規定は、法第二十一条第七項 の総務省令で定める同条第二項 の規定により認可を受けた特定電気通信役務の料金の減免の基準について準用する。